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雑記 2024.4.15
ここ4年ほど乗り越えていかなければならない課題が次々に発生し、我々も日々対応に明け暮れながらもなんとか上向きに事業活動を続けてきております。
そんな最近の課題や日々考えていること、建設業が置かれている状況などを今回お伝えできればと思います。長文ですがご興味があればお付き合いください。
さてどんな課題かというと、世界規模でいえば新型コロナ、ウクライナや中東の政情不安、半導体の供給不安、国内であればインボイス制度の開始、2024年問題、能登の震災、物価の高騰、後継者不足など多岐にわたります。これらは建設業だけの課題・問題ではなく、全産業に関わることでもありますが、とりあえず今回は弊社の視点での話になります。
4年前に始まったコロナの影響は我々建設業というアナログな業種にとっては、デジタル化へ進むきっかけにもなったので、そういった意味では良い面もありました。しかし、コロナにより世界中の産業活動が止まり、続いて政情不安による原材料の不足、国内半導体工場の火災なども重なり長期にわたって影響が出ています。これらにより機器の納期遅延が起こると、工期が延長されて売り上げが先延ばしになったり、納期が分からないため営業機会の損失が起こります。さらに建設業は設計、積算、施工まで1年以上掛かることが普通ですので、急激な物価の上昇が起こると積算時点の契約単価では資材が買えなくなってしまいます。そんな厳しい経営環境の中でインボイス制度も始まってしまい高齢の経営者は廃業という選択も現実に起こっています。
この辺り、弊社はグループウェアやリモート接続の導入、元請け案件の受注増などに取り組み、急激に変わっていきました。
これらの取り組みに欠かせないものは我々社員の意識改革で、自己管理能力や判断力を底上げし、業務スキルを高め、仕事の質や価値を高めていくことに他なりません。
そして昨年あたりからメディアでも報じられていた2024年問題というものもあります。
これは働き方改革関連法により、2024年4月から時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることで騒がれているのですが、それはなぜでしょうか?
電気工事は業務分野が広いため会社員が多いのですが、建設業全体としては成り立ちが出稼ぎ労働者が主体だったこともあり、一人親方と呼ばれる個人事業主(開業届けの有無は別として)が非常に多く、一人親方の知人に誘われて手伝い始め、そのまま一人親方になった方が大多数です。それに会社員としての適性の問題もあります。会社員適性とは簡単に言えば、集団に属するタイプかとか、独立意欲が高いとか、協調性があるかとかそういうことになります。昔の現場の雰囲気を知っている方からすれば、もっともっと根深い問題もご存じでしょう。
ともかく会社に属していないので、労働時間の制限がなく、働けば働くほど稼ぐことができていたのです。その働きがかつての経済成長を推し進め、経済効果が大きかったため労働時間の上限規制も除外されていたわけですが、その反面、一人親方は無保険の方が多かったり、彼らを管理する監督たちはゼネコンの社員であっても長時間労働に巻き込まれたりしていたわけです。
そして時は流れ週休二日が浸透し、様々な情報があふれる社会になり、より綺麗で、より初任給が高く、福利厚生も整った環境がすぐに目に入るようになりました。社会保険に加入せず長時間労働で、下積み期間があって、休みも少ない。そしてどんどん高齢化が進み、左官、屋根、鳶、大工など後継者がいないため廃業ラッシュ。昔と違って稼げるかもわからない不景気の日本では、若い方たちにとって建設業界は魅力が無いように見えてしまうでしょう。
しかし実際はそう単純なものではありません。例えば収入でいえば週休二日や初任給の高さで将来の年収は決まりません。初任給400万円で週休二日でも20年後に500万円かもしれませんし、初任給350万円で週休一日でも20年後に1000万円かもしれません。
でも今の若い方たちの仕事に対する向き合い方も昔と違っていて、収入よりプライベートを重視する方が増えているのも確かです。どちらが良いか一概には言えませんが、共働きが当たり前になったことで家事も収入も半々でと考えるのも無理はないと思います。
このような労働に対する意識変化による人材不足を打開するために、安全対策から始まり、衛生環境、社会保障など現場の労働環境はこの20年で劇的に変わってきたのですが、ついに労働時間も大きく変わっていくのだと今まさに感じています。
そして近い将来、この社会の流れに対応できない受動的な企業は能動的な企業に管理される「管理する側とされる側」の2極化の時代が来るはずです。
仕事の質と価値を高め、賃金を上げながら労働時間を短縮させ、時代の波に飲まれないように日々取り組んでいかなければと思っています。
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