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施工現場雑記 2023.1.16
今日はH君が明日使う打込みボックスの加工をしていました。
打込みの現場というのは鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨(S造)の現場のことです。コンクリートを打設するところから【打込み】と呼ばれていて、RC造は床と壁、S造は床がコンクリートになります。
RC造とS造それぞれ特徴があって分譲マンションなんかだと耐久性や遮音性などの高いRC造が多く、大規模空間が必要な商業施設や、下階に大きな荷重がかかる高層建築だと、重量を軽くするためにS造が採用されています。
打込みボックスというのは、コンクリートにあらかじめ打込む(埋めておく)電気配管・配線の取り出し口となる部材のことです。
下の写真は極端な例ですが、完全に打ちっ放しの建物だとすべての配管・配線をコンクリートに打込むので配管量が多くなり、スイッチやコンセントなども表面に見える部分以外に裏側にも空間が必要ですので、打込みボックスでその空間を確保します。
打込みの現場はいざ配管に電線を通す段階になって配管施工の良し悪しがわかります。
綺麗に配管しようとカクカク曲げてしまうと電線が通らないし、ゆるくし過ぎるとスペースばかり使ってしまいほかの配管が通らなくなります。ガムテープの貼り方が悪ければボックスや配管にコンクリートが入ってしまうし、しっかり貼ったはずのガムテープも雨や日射でコンクリートの打設までに剥がれてしまうことも。
他にも、配管を通すところが悪ければ鉄筋に挟まってつぶれたり、ボックスを付ける段階で鉄筋が傾いていることもあるので最終的にボックスの位置が狂ったり、型枠からボックスが出っ張っていると型枠が納まらなくて型枠大工さんに怒られて、型枠から離れすぎるとボックスがコンクリートに深く埋まってしまってどこにあるか分からなくなってしまいます。
そんな経験を伝えている?ところでしょうか。
鉄筋に見立てたボルトでボックスを付けてみたり。
ところで鉄筋屋さんや型枠大工さんたちがコンクリートの骨格を作っている段階を躯体工事と呼びますが、年配の電気屋さんたちは口をそろえて「躯体工事の時はいつも徹夜だった」とか、「鉄筋屋に怒鳴られた」「型枠大工にボックスを壊された」などと言っています。とはいえ、鉄筋屋さんが組んだ鉄筋を電気屋が曲げたりバラしたり、大工さんが型枠を建てようとしたら電気のボックスが出っ張っていて流れを止めてしまうのも確かなので、お互いの事情を知り尊重しあわないとなりません。電気のボックスや配管を好き勝手に施工できるわけでは無いのです。
でも電気の重要性が増すにつれ、鉄筋屋さんや型枠大工さんたち自身が日常で電気に触れることが多くなり、昔のように電気工事が邪険に扱われることも少なくなっている気がします。
お互いをより尊重しあっていければいいなと思っています。
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