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雑記 2023.8.10
前回の続きで雷と避雷針のはなしです。
右側のポールが避雷針。左側はテレビのアンテナです。
違う現場ですが、横になっているポールが避雷針本体です。仮支柱を使ってこんな感じでロープで吊って設置します。
避雷針は20mを超える建物に設置義務があるのですが、それ以下の建物でも避雷針を建てたいと自主設置ご希望されるお客様がいます。「雷を避ける」と書くんだから欲しくなりますよね。
でも、よく見てください。避雷針って雷を避けそうにありません。
むしろその形は雷を呼んでいます。
避雷針が「雷を呼ぶ」とはどういうことか?
その前に避雷設備の構造からお話ししますが、大きく分けると、屋上部分で受雷部になる「突針と棟上げ導体」、雷電流を地面に導く「引下げ導体」、その電流、電圧を大地に逃がす「接地極」の3つから構成されています。
●地面に埋めた接地銅板から繋がる導線は柱の主筋に溶接され、以降主筋が導体となります。
●屋上では再度主筋に導線を溶接しコンクリートを打設した後は端子のみ出します。
●プレート状の端子がパラペットから出ています。
●そして屋上の外周部をぐるりとしながら最終的に避雷針へ。
避雷針がない建物ではどこに雷が落ちるか制御できず、建物本体に落雷があると受雷部のコンクリート内の不純物が一瞬で蒸発してコンクリートが破裂し、雷の電流も迷走して機器が破損したり、人が感電したり、他にも予期しない形で磁界が発生して情報機器などにも不具合が起きます。
3つの構成部品が法に基づいて保守がなされ、確実に機能すればこれらの被害は避けることができるのですが、自主設置は法による報告義務がありませんから往々にして設置以降の保守がなされず、その状況で避雷針をあえて設置すれば避雷針めがけて雷が落ちて様々なリスク要因になります。
ではあえて設置するのはどういったときかというと、近隣に自分より高い建物がないとき、山岳地など標高が高いとき、危険物を保管しているとき(消防法による)、文化的木造建築物などはメリットが大きいと思います。
電気の性質をよく表しているのは山岳地の話で、森林限界以上の岩場ではエネルギーをうまく大地に逃がせず、岩場の表面を横方向に放電して登山者が感電することもあります。山岳地はそもそも落雷頻度が高く建築設備計画基準では900mを超える山岳地では設置を検討するようになっていて、その場合の避雷針も特殊な形状で検討されます。
避雷針は避けることができない落雷に対して雷のエネルギーを適切なルートで大地に逃がし、建物や人に被害が出ないようにするための設備ということを理解したうえで設置を検討していただければと思います。
雷と避雷針について興味がおありの方は調べてみてはいかがでしょうか。
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